徳島県の伝統産業のひとつに藍染がある。「ジャパンブルー」とも称さる澄んだ藍色で染まった着物や小物は、吸い込まれるようなうつくしさがある。阿波で藍が栽培されはじめたのは平安時代のこと。徳島県の山間部に住んでいた阿波忌部が織った布を染めたことが始まりだったと伝えられる。2001年、環境省が選定した「かおり100選」のなかに、藍染めの産地である徳島県藍住町が「吉野川流域の藍染めの香り」として選ばれた。

徳島県では、吉野川の豊かな水源と流域の土壌を生かし、古来より藍染めの栽培が盛んに行われてきた。徳島における藍染めの手法は伝統的に受け継がれ、その行程も守られてきた。収穫された藍は、熟練した職人たちによって水うちがなされたあと、数か月かけて発酵し固められて藍玉となる。藍玉はさらに酒やぶどう糖などが加えられて、再び発酵される。その液は、深く濃い色いを呈すようになる。液に布に浸し、水で洗って乾燥させると、うつくしい藍色があらわれる。藍染めの完成だ。

藍染めの作業工程のなかでは、藍染めならではの独特の香りが生まれる。その香りは、深く、地域ならではの味わいがある。藍染めの産地である徳島県藍住町は、「吉野川流域の藍染めの香り」として環境省が選ぶ「かおり100選」に2001年選定された。
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