剣山系の豊かな山懐に抱かれた徳島県の秘境の地、祖谷。平家の落人たちが隠れ住んだという伝説が残り、その長い歴史と手つかずの自然がつくりだした独特の景色は、旅人たちの心をとらえて止まない。にし阿波観光圏[西阿波 観光圏]の一角を成す祖谷地方(徳島県)のなかでも、最も人気を集める観光スポットは、善徳にある「かずら橋」だろう。「かずら橋」は、徳島県の平野部を横断する吉野川の上流、祖谷川に架かる吊り橋である。


かずら橋、祖谷


 周囲を、1000m近い山々に囲まれた徳島県 祖谷地方は、白川郷(岐阜県)、椎葉村(宮崎県)と並び、「日本三大秘境」のひとつに数えられてきたエリアだ。太古の昔、恵伊羅御子と小野老婆が集落をひらいたといわれる歴史深い地。「かずら橋」は、貫流する祖谷川の両岸を人々が行き来するために架けられた。明治時代には、祖谷川には、10数本ものかずら橋が架かっていたそうだ。しかし、現在では、祖谷の善徳にかかるかずら橋一本を残すのみとなり、昭和30年(1955年)、国の重要有形民俗文化財に指定された。


「祖谷地方の風景」(にし阿波 観光圏[西阿波 観光圏])関連の記事はこちら

徳島県の西部に位置する祖谷、大歩危など「にし阿波観光圏」の周囲には四国山地が連なり、豊かな自然が多く残されている。

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祖谷や大歩危・小歩危などがある「にし阿波観光圏」の一帯は、渓谷に沿って断崖絶壁がつづくなど、四国のなかでも厳しい自然に囲まれている地域だ。そんな「にし阿波観光圏」では、児啼爺(こなきじじい)をはじめとする妖怪伝説も代々伝わってきた。一見すると不気味に思える妖怪たち。しかし、そこにはあたたかい物語とミステリアスな魅力が秘められている。

井上晴雄 絵画作品集